COPモデル

若手の心理士の方から、「職場で見立てを他職種の人に伝えても、なかなかうまく理解してもらえない。どのようにして力をつければよいか。」という質問を受けました。私の場合、出発は少年鑑別所で、そのあと、学生相談、病院の思春期外来、警察のシンナー相談、スクールカウンセラー、少年院の篤志面接、災害支援、児童養護施設、児童心理治療施設のスーパーバイザーなど経験しましたが、ちゃんと見立てができて、現場の他職種に役に立つ伝え方ができるようになるには、少なくとも10数年かかったように思っています。(本当は今やっと、と答えたいぐらいなのですが)

それでは、力をつけるために必要なことは何かと考えると、とにかく現場の他職種のひととの対話を続けることだと思います。相談室モデルの内輪の議論は、外では理解されない恨み節と、裏返った思い上がりの空回りに終わるきらいがあります。私の場合、その点で最も役に立ったのは、家裁、鑑別所、少年院、保護観察所、警察、児相、その他種々の施設の方々がゲリラ的に集まる「非行研」という研究会です。毎年1回、泊りがけで、30年以上続けてきました。メンバーの高齢化と、非行少年の減少により、存続が危ぶまれていますが、今でも貴重な学びの場となっています。

(質問箱220120-220121)

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